彼女の部屋は、決して豪華ではない(むしろ年季が入っているように見える)が、とても丁寧に使われている印象だった。窓辺には淡い色のカーテンが軽く揺れ、外の風がそっと部屋に入ってくる。
窓際の小さなテーブルの上には、一冊の本と、シンプルな陶器のカップが置かれている。カップの中には、今朝淹れたばかりと思われるハーブティーがまだ温かさを保っているようだ。
リビングには、質素ながらも心地よさそうなソファが置かれ、その上には手編みのブランケットが丁寧に畳まれている。ソファの隣には小さな木製のコーヒーテーブルがあり、落ち着いた色合いの花瓶に季節の花が一輪飾られている。
「彼女が、理子さんです」
そんな落ち着いた部屋で、彼女はゆったりと読書を始めた。そこには、とても穏やかな時が流れていた。
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