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第2話では海外ランナーに着目し、著者自身が香港のマラソン大会に出場した経験から、
香港の青年を登場させたという。
海外からの参加者の視点で第2話「香港から愛と野望を込めて」の後編。
7/31に掲載された主人公・ケニー・ウーのお話の挿絵模写とあらすじなんぞ。

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主人公は香港から初めて北海道マラソンに挑戦するケニー。前夜は先輩おすすめのすすきのラーメン店を巡り、「せっかく北海道まで来たんだから」と、あっさり煮干し系と背脂こってり系を見事に連食。カーボローディングのつもりが、どうやら胃袋ローディングになってしまいます。

そして運命の朝。遮光カーテンの威力を甘く見た結果、目覚めた時刻は午前8時5分。スタートまで残りわずかです。「うそだろ!?」とホテルを飛び出す姿は、読んでいるこちらまで心拍数が上がります。

何とか会場にはたどり着いたものの、規則は規則。本来のブロックには入れず最後尾スタート。これが実質「42.195kmプラス数百メートル」のレースになってしまいました。それでも係員を責めることなく、「悪いのは寝坊した自分」と受け止めるあたりに、ランナーらしい潔さを感じます。

レースが始まれば今度は人混みとの戦い。思うようなペースでは走れず、朝食抜きのツケもじわじわ効いてきます。札幌の夏の日差しは予想以上に厳しく、「北海道だから涼しいはず」という先入観を見事に裏切ってくれます。

そんな苦しい時間帯に現れる補給所。バナナを思わず二切れ取ってしまい、慌てて返そうとするケニーに、ボランティアの女の子が笑顔で「オーケー!」。さらに沿道では地元の人たちが私設エイドで水やミニトマトを差し出し、「ガンバレ!」と声を掛けてくれる――この場面には北海道マラソンならではの温かさがにじみます。

記録は決して満足できるものではありません。寝坊、最後尾スタート、朝食抜き、猛暑…。失敗のオンパレードです。それでもゴールした瞬間には、「また走りたい」という気持ちが心の中で大きく膨らんでいました。

帰国後、先輩から「もう寒い大会は十分だろう」と言われても、ケニーの答えは意外なほどきっぱりしています。「北海道マラソンに、また出たい」。

この一言が実にいい。マラソンは、うまく走れた大会より、失敗だらけだった大会のほうが妙に忘れられなかったりします。寝坊も、ラーメン二杯も、最後尾スタートも、今となっては全部ひっくるめて北海道マラソンの思い出。だからこそ次はリベンジしたくなるのでしょう。

読後に残るのは、「完璧なレースより、語れるレースのほうが面白い」ということ。北海道マラソンには、タイムだけでは測れない魅力があります。沿道の声援、ボランティアの笑顔、そしてゴール後に「また来年も」と思わせる不思議な力。ランナーなら誰もが一度は経験してみたくなる、そんな北海道の夏がこの物語には描かれていました。


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