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この新聞小説がスタートしたのが2026年4月23日で、全20話のオムニバスの挿絵日記。
第1話前編が4/23で、後編が5/22だけど、タラタラしてたら7月になっちまった。
TNRの片面1話で前、後編のおいら的TN挿絵日記のスタイルはどうするべ。
第1話「がんばっていいでしょうか」の後編の主人公・野中啓介のお話のあらすじなんぞ。

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北海道マラソンを走ったことがある人なら、「ああ、あそこだ」と思わず膝を打つ場面の連続でした。

主人公・啓介は、沿道の「がんばれー!」という声援を背に快調なスタート。吹奏楽部が奏でる『ロッキーのテーマ』に気分は完全に主役モードで、5キロ地点は予定より3分も速い通過。「今日は自己ベストか?」と心が浮き立つあたりは、多くの市民ランナーが一度は経験する“序盤限定の万能感”でしょう。

しかし北海道マラソンは、そんな甘い期待をちゃんと回収してくれます。

待ち構えるのは創成トンネル。外の灼熱から逃れられるオアシスかと思いきや、実際は湿気たっぷりの巨大サウナ。サングラスを外した瞬間、「違う、そうじゃない」と誰もが心の中でつぶやくあの空間です。呼吸は苦しく、足は重くなり、出口の光がまるで天国の入り口のように見える描写には思わず苦笑しました。

トンネルを抜ければ再び札幌の街並みと声援が迎えてくれます。そして対向車線にはトップランナーたち。まるで別競技の選手のように美しいフォームで駆け抜ける姿を見て、「同じ42.195キロを走っているとは思えない」と感じた経験のある人も少なくないはずです。

物語が本領を発揮するのは21キロ以降。新川通に入ると、建物も街路樹もなく、容赦ない直射日光だけが降り注ぎます。応援は減り、自分の足音と荒い呼吸だけが耳に残る世界。暑さだけではなく、「孤独」が最大の敵として描かれているのが印象的でした。

給水所ではスポンジ、塩飴、補給ゼリーを総動員。タイムへの欲を捨て、「制限時間内完走」に目標を切り替える決断も実にリアルです。そして頭の中では「がん、ばれ。がん、ばれ。」という四文字だけがリズムとなり、思考を停止して前へ進む。その姿はランナーというより、42キロ仕様にプログラムされた人間エンジンです。

折り返し地点を過ぎ、遠くに見えるJRタワーを目標に再び前進。30キロでは「人生最高にうまいバナナ」と出会い、沿道のおじいさんがホースで作った即席シャワーでは、「ありがとう!」「なんも、がんばれよ!」という北海道らしいやり取りに思わず頬が緩みます。公式エイドだけでなく、地域の人たちの温かさも北海道マラソンの名物なのだと改めて感じさせられました。

そして北大構内、札幌駅前、赤れんが庁舎を抜け、大通公園へ。4時間35分17秒でゴールした啓介を待っていたのは、昨夜ホテルで出会った市民ランナーの入賞インタビューでした。「積み重ね」という一言が、レース中に守り続けたペース配分や補給、そして何より「がんばれ」と自分に言い聞かせ続けた時間の価値を静かに照らします。

最後に妻へ電話をかけ、「きつかった。完走した。楽しかった。そして、がんばった!」と報告する場面は実に爽やか。北海道マラソンは42.195キロの競争であると同時に、自分自身との長い対話なのだと改めて教えてくれるエピソードでした。

読後には、不思議とシューズを履いて走りたくなる一方、「でも創成トンネルと新川通だけは勘弁してほしいな」と思ってしまうのも、北海道マラソン愛好家ならきっと共感していただけるのではないでしょうか。


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