IMG_5880





337〜344回では、万千花と遥の激しい対立を軸に、「変わること」と「変わらないこと」の価値が鋭くぶつかり合う。万千花は、自らの過去や家族の歴史、そして女性として生きる中で受けてきた抑圧や苦しさを語り、「正しくあろうとする変化」を選んだ理由を明かす。一方の遥は、かつて共有していた荒々しくも自由な言葉や生き方が失われたことに強い違和感と怒りを抱き、万千花の“正しさ”に距離を感じる。友情のかたちが揺らぐ中で、「本当の友達とは何か」という問いが浮かび上がる。

場面は変わり、善恵の視点では、時代とともに変化してきた「女の友情像」が語られる。理想化やステレオタイプを経て、ようやく不完全で生々しい関係が描かれるようになった中で、善恵は自らの親友・頼子との関係を振り返る。恋人を共有した過去すら抱えながら続いてきた二人の絆は、既存の言葉では定義できない特別なものとして再確認される。

さらに、頼子と過ごす現在の時間の中で、二人はかつての恋人の痕跡が残る部屋に眠り、さらには若い男性従業員と共に風呂に入るという奇妙で親密な体験を共有する。年齢を重ね、変化していく自分の身体を語る頼子の姿には、不思議な明るさがあり、老いや衰えすらも受け入れながら生きる強さがにじむ。過去も現在も矛盾を抱えたまま、それでも続いていく関係のかたちが、多層的に描かれる章となっている。


にほんブログ村 その他日記ブログ 備忘録・メモへ
にほんブログ村