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129〜136話を通して描かれるのは、「自信のなさ」と「承認欲求」に翻弄される人々の姿です。

まず、遙と万千花の関係が語られます。万千花は昔から強烈な毒舌で他人を寄せつけず、遙を守るように二人だけの世界を築いていました。当時の彼女は自分の容姿に強い劣等感を抱き、他人を貶すことで心を保っていたのです。しかし今は「そのままの自分を誇るべきだった」と振り返り、遙に謝罪します。遙は語学学校で「礼儀正しい友達だ」と万千花を褒められるが、彼女を単なる“friend”と呼ぶことに違和感を覚えつつも、教師の評価を意識して感謝の言葉を返します。

一方で後半は善恵の視点です。彼女は女性向けリラクゼーション店「ZEN G」を経営し、若いセラピスト候補のモトルを指導しています。モトルは夢を追いながらも借金返済のために働き、真面目な姿勢で善恵に信頼されていきます。善恵は自身の過去を振り返りながら、なぜ「自信がない女性」がこんなにも多いのかと考えます。サービスを受けた女性客からは「女としての自信を取り戻せた」と感謝の声が寄せられる一方で、善恵は「もっと軽い気持ちで利用してほしい」と複雑な思いを抱きます。

善恵自身も若い頃、異性からの欲望を自分の存在価値と信じ、奔放な性生活を送った結果、罪悪感や孤独を抱えました。しかし時代は変わり、女性が性を語ることも徐々に肯定されるようになります。それでもなお「女として不安を抱える人」は絶えず、顧客はセラピストに体だけでなく言葉や承認を求めてしまう。善恵はそれを痛いほど理解しており、やがて彼女たちが“お金を介さない関係”を望むようになることを予感しています。

──遙と万千花、そして善恵と顧客たち。いずれも「自分を肯定できない弱さ」と「他者に認められたい欲望」に縛られながら、それぞれのやり方で生き延びようともがく姿が浮かび上がるのです。


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