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文芸サークルの飲み会の場で、貢は店員の若い女性・フミに好意を抱き、「他のおじさんとは違う」と思ってもらいたくて声をかけるが、彼女からは冷たくあしらわれてしまう。その無反応に打ちのめされた貢は、自分が「ただのおじさん」であることを痛感し、自尊心が傷つく。逃げるようにトイレにこもった後、以前関係のあったライターのサリーを呼び出して一夜を共にし、自分の若さや価値を再確認しようとする。

その後、フミのような女性に近づくのは危険だと考え、サークルの仲間とも距離を置くことを決意する。しかし、写真展の会場でサイハイブーツを履いた若い女性・ハルカと偶然出会い、負傷した指にハンカチをあててもらったことで心を動かされる。ハルカの飄々とした態度と、文化的な場に溶け込もうとしない姿に、貢は奇妙な魅力を感じる。

貢の自宅では、長年のパートナー・頼子が待っている。彼女は貢の行動や体調を細かく把握しながらも、浮気には気づかぬふりをしているかのように見える。二人の関係はすでに性的なものを失って久しく、生活の時間帯もずれているため、寝室も別々になっていた。それでも貢は、若い頃の頼子との思い出や体の記憶を夢に見ることがあり、内心では複雑な感情を抱えている。

頼子は冷静で頼りがいがあり、貢にとっては生活の細部まで気を配ってくれる存在だが、彼女の内面がどこまで見えているのか、貢には測りきれない。そして、貢が初めて小説を書いた大学時代の記憶も蘇り始める──。


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